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第二章・10

 なぜか爽やかでポップなインストゥルメンタルが流れ、二人の若者が海辺で手をつないで歩いている。  さざ波の砂浜を歩き、時に顔を見合わせて笑いあっている。  超、というわけではないが、まぁ10人並みのイケメン。  一人は短髪で焼けた肌に髭を生やしていて、もう一人は色白でまだ少年の面影を残している。 「この髭男、要人に似てないか?」 「よしてくれ。髭が同じなだけだ」  くすくす笑いながら動画を続けて観ていると、急に画面が変わり芝生にタオルを敷いて、二人が濃厚なキスを交わしている。  濡れた音が響き、息遣いまで鮮明に録音してある。  ようやく本編が始まったのだ。  キスをする間もカメラアングルは細かく替わり、様々な角度から様子がうかがえるようにしてあった。

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