87 / 105
第六章・5
頬を染め、要人の方を見てみると、そこにはやはり上気した顔の幼馴染が。
「ごめん。怖かった?」
「い、いや。こっちこそ、ごめん」
要人の気持ちは、解ってる。
こうして僕を誘っては、キスを繰り返す彼の気持ちは解ってる。
(要人は、僕とセックスしたいんだ。一つになりたいって、思ってるんだ)
これまで、恋人とは自然に身体も結んできた要人。
僕とも、そうしたいに違いない。
でも僕は……。
「ごめん、要人。ごめん」
「何で優希が謝るんだよ」
笑顔で軽く、優希のおでこを弾く要人だ。
「こっちこそ、急ぎ過ぎたよ。ごめん」
急ぎ過ぎ?
付き合い始めてから、もう3ヶ月になるのに?
いくら奥手な優希でも、知っていた。
普通そのくらいの時間を過ごせば、もうベッドインしていても不思議じゃないってことを。
「あ、もうすぐ門限。優希、自分の寮に戻らないと」
「う、うん」
身体を弄られた気恥ずかしさも手伝ってか、優希は慌ただしく要人の部屋を去って行った。
ともだちにシェアしよう!