89 / 105
第六章・7
「嫌がっては、いなかったはずだ」
スキンやティッシュを散らかしたまま、要人は思いを巡らせた。
嫌だったら、胸を弄り始めたその時に、すぐ身体を離すはず。
「あ、ヤバいヤバい」
乳首を苛めた時の、切ない優希の声がリフレインしてきた。
『ん、んんッ。要人ぉ……ッ!』
再び、性欲が湧いてくる。
身体の中心が、充血してくる。
「ごめん、優希。もう一回だけ」
ペニスを擦りながら、要人は優希を想った。
頭の中は、もう彼でいっぱい。
何とかして、優希と結ばれたい。
「あ、はぁあぁ。優希、優希ぃ……ッ!」
身体のヤバさを感じながら、精神のヤバさも感じていた。
これ以上耐え忍んでいたら、いつか無理やり押し倒しそう。
それだけは、避けたい。
彼を大切に愛すると、誓ったんだから。
自然に結ばれるのを待つ、と決めたんだから。
下半身が張って来た。
ペニスが筋を走らせ、ぱんぱんに膨れている。
「あぁ! 優希ぃい!」
勢いよく射精しながら、要人はある決心を固めていた。
ともだちにシェアしよう!