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第六章・8

「優希。週末、俺の家に来ない?」 「家、というと。要人の実家?」  そう、と要人は笑顔で頷いた。 「そして、良かったら泊って欲しいんだ」  は、と優希は小さく息を呑んだ。  以前、要人の実家に泊まったことはある。 「あの時は可笑しかったな。一緒に動画見て驚いたりして」 「そうだな」  あの時はヤる気満々だった要人だったけど、結局僕の気持ちを尊重してくれた。  今度は……? 「泊まりに来る? 嫌ならいいけど」 「嫌だなんて。喜んでお邪魔するよ」  決まりだ、と要人は心から嬉しそうだ。  指切りまでして、その日は別れた。

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