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コスプレ
「コスプレって楽しそうだな」
「こないだと言ってること違いません? 興味ないみたいなこと言ってませんでしたっけ?」
「覚えてねぇな」
「……」
「色々考えたんだけど、やっぱナースかなと思って」
「あー定番ですね」
「伊勢ちゃんはなんか好きなのあんの?」
「んー、あ、俺あれですスッチーとか好きです」
「スッチー?」
「スチュワーデス、可愛くないっすか? こないだ見たAVがスチュワーデスがトイレでヤっちゃうみたいなやつでなんか俺そういうの好きなんですよねー」
「スチュワーデスかー……」
「しかもその女優がスレンダーなのにEカップでしかも顔も麻生久●子似でめっちゃかわいくて。あ、でもその人もナースものやってたな」
「あ、ナースもいいんだ」
「そっすね。ナースもまあ好きですね」
「伊勢ちゃんも好きならやっぱりナースにしよっか」
「……ん?」
「スチュワーデスやりたい気持ちも分かるけど、それはまた今度にしよう」
「あれ……? ちょっと待ってちょっと待って……?」
「こないだ通販サイトですごいかわいいナース服見つけたんだよね」
「え……? なんかこれ今ひょっとしてすごいすれ違ってません……?」
「多分伊勢ちゃんも着れると思うから注文していい?」
「ちょっと待て! 話を進めんな待て待て!」
「なに?」
「なに? じゃなくて……、あの、これ女の子が着てるとテンション上がるコスプレの話ですよね……?」
「え?」
「え?」
「……あー、うん、そうそう」
「いや絶対嘘じゃないですか! 取り繕わないでくださいよ!」
「とりあえず注文しとくわ」
「ちょっと待て! 俺は着ないですからね!」
「なんで?」
「なんでって……! いや着ねぇよ!」
「好きなんでしょナース」
「いや好きですけどっ……」
「じゃあスッチーでもいいよ」
「そういうことじゃなくて! 俺は自分が着るっていう話してないですから!」
「なんでー、着てよ」
「着ません」
「着てほしいなあ」
「かわいく言ってもダメ」
「着るだけでいいから」
「イヤです、まっじで一ミリも信用できませんそんな言葉」
「千円あげるから」
「……え? 金くれるんですか?」
「うんいいよ、千円あげるよ」
「え? まじで? ……い、いや……いやいや……着ませんよ……」
「じゃあ二千円」
「いや! 額の問題じゃないんですよ!」
「五千円?」
「えっ!? 高岡さんそれ本気で言ってますか!?」
「いいよ、五千円やるよ」
「えっまじ!? 高岡さん金無いんじゃないんですか!?」
「無いけど、どうしても見たいからいいよ」
「え……? ほんとに……? ほんとに言ってんですか……? あとでやっぱなしとか言いません?」
「言わないよ。いいよ、五千円」
「まじか……」
「五千円あればこないだ欲しいけど金ないって言ってたTシャツ買えるぞ」
「……ほんとだ……、それかTシャツ諦めれば牛角の食べ放題行ける……」
「欲しがってた漫画も大人買い出来るし、新しい財布買う足しにも出来るし、五千円あったら色々できるぞ」
「あー……」
「着るだけでいいから」
「…………………着ます」
「じゃあ注文しとく!」
「着て速攻脱ぎますけどね、絶対くださいよ五千円」
「うんうん分かった分かった」
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