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マッサージ師
「ただいま……」
「おかえりなさ……うわ顔色わるっ」
「いやもうマジ疲れた……」
「バイトそんなに忙しかったんですか?」
「んー……客はあんまいなかったんだけどー……定期発注品がいっぱい届いて……」
「あー」
「今日のシフト社員も含めて女ばっかだったから、ほとんど俺が運んだり整頓したりしてて」
「大変でしたね」
「しかも食器もこんな箱でいっぱい来てさー、すげぇ重いのなあれ。慣れないことしたから腰とか背中が超痛ぇ……」
「あ、マッサージしましょうか?」
「え?」
「俺けっこう上手いですよマッサージ」
「してくれんの?」
「はい、こっち寝てください」
「っあー……」
「うわ、すごい凝ってますね」
「あー……きもちいい……」
「固っ……こんなんでよく生活できますね」
「俺たぶん肩コリとかしやすい体質でさ」
「肩凝りすぎて頭痛くなったりしませんか?」
「あー昔はあった……最近麻痺してる」
「よくないですよそれ、俺でよければ定期的にマッサージしますよ」
「えーまじで……悪いよ……30分いくらですか」
「いや金とりませんから」
「いやでもマジで上手いな……金払っていいわこれ」
「サービスです」
「ありがとうマッサージ師さん……」
「あはは」
「……よし、こんな感じですかね」
「うわーありがとう」
「どうですか?」
「すげー軽くなった……気持ち良かった」
「他なんかやってほしいとこありますか? 足ツボとかもできますよ」
「ちょっと手ぇ貸して」
「はい?」
「よいしょ」
「ちょっ……どこ触らせてんすか」
「あのー、マッサージ師さんココもお願いしたいんですけど」
「…………」
「最近すぐ固くなっちゃって困るんですよね」
「…………」
「気持ち良くしてくださいマッサージ師さん」
「…………最低」
「伊勢ちゃんは性感マッサージ師でしょ?」
「そういうのほんっと最低ですからねアンタ」
「怒んないでよー」
「疲れてるっつーからやってあげたのになんなんだよ調子乗んなよ!!」
「……すいませんでした」
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