「何飲んでるんですか？」 「購買で買ったトロピカルフルーツティー」 「…………」 「なにその顔」 「いや、なんか……高岡さんってトロピカルもフルーツもティーも似合わないなと思って」 「うるせぇよ」 「高岡さん、結構甘いもん好きですよね。それすら意外なんすけど」 「まあそうね」 「ファミレスでもパフェとかすぐ頼みますもんね」 「伊勢ちゃんは食べないよねそういうの」 「今日とかめっちゃ暑いのに生クリームとか食べたくないですもん、喉かわくし」 「じゃあなんだったらいいの？」 「ビールじゃないですかやっぱり」 「あー……」 「冷えたジョッキで生、つまみも簡単なものでいいんですよ、枝豆と冷奴とか」 「ああいいね」 「いいでしょ？」 「……飲みたくなってきたな」 「じゃあ今日飲み行きましょうよ」 「いいよ」 「……高岡さんってかっこいいですよね」 「え？」 「ずっと思ってたんですけど、顔もかっこいいし、おしゃれだし、スタイルもいいし、甘いもの好きなとこもかわいいですよね普段クールでかっこいーからギャップって感じで」 「……は？　なになにどした」 「おれほんと、高岡さんみたいな人と付き合えて幸せなんですよねえ」 「えっなに、うそ、伊勢ちゃんそんなかわいいこと言ってくれるの？　どしたの？　怖いんだけど」 「俺さいきん金なくってぇ」 「……」 「でも大好きな高岡さんとお酒飲みたいなーと思ってぇ」 「……」 「高岡さんが出してくれるなら行けるんですけどぉ」 「……」 「ね？」 「……」 「高岡さん大好きですっ」 「……あー俺いま女子高生に貢ぐオッサンの気持ち分かったわ……」