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高岡さんの設定を考える
「高岡さん、好きな女の子のタイプ作っておきましょうよ」
「なにそれ?」
「高岡さんよく飲み会で『彼女いないの』とか『好きなタイプは?』とか絡まれるじゃないですか。そん時に『どうでもいい』とか言って受け流してるから逆に怪しまれてるんですよ」
「そうなの?」
「そうですよ。俺高岡さんのいないとこで『あいつってゲイなの?』って聞かれたことありますもん。なんで俺に聞くんだよってめっちゃあせった」
「なんて答えた?」
「知らないですって言いました。でもいい加減ほんと怪しまれてると思うんで、高岡さんの架空の彼女像とか、好きなタイプとか、そういうの作っておきましょうよ。いつ聞かれてもちゃんと答えられるように」
「えー俺それ覚えられないと思うんだけも」
「ちょっと待ってくださち俺メモ帳出すからそこに高岡さんの設定メモるから!」
「はあ……」
「よくあるのがー、おっぱい派かおしり派かみたいな。どっち派にしておきます?」
「んー、尻だな」
「ですね」
「尻っつーかアナルだけど」
「そういうことは言わなくていいんです台無しにしないで。で、あとはー、ショート派かロング派かみたいな」
「ショート」
「まあそうなりますよね。あとはこう、運動部系か文化系かみたいな」
「運動」
「そうなんですか? 文化系のが話合いそうでいいじゃないですか」
「俺自分の好きなものを『あたしもそれ好きなんだよねー』とか語られんのすげー嫌い」
「……めんどくさ」
「なに?」
「なんでもないです。おとなしい清楚な子より活発な子って感じですか」
「そうだね。ノリいい子好きだよ」
「細身スレンダーとぽっちゃりならどっちですか?」
「んー、細身だろやっぱ」
「ちょっと待ってください。高岡さんのガチ好きなとこ盛っていくと運動好きで細身でショートヘアで貧乳でウエーイっていう、なんかボーイッシュすぎじゃないですか、どのみちゲイ疑惑でますよ意味ない!」
「でもそうだしな。嘘はつけないしな」
「いいんですよ多少は嘘ついても! っていうかなんでこういうことだけ妙に正直なんですか。このあいだ付き合ってる奴いんのって言われてさらっとうんって言ってましたよね!?」
「いいじゃん。むしろそんな設定作ったってバレるときはバレるんだから」
「えー……そんなーでも、えー……」
「そりゃ伊勢ちゃんはイヤだろうけどさ」
「ちが、いや、いやではないですけど」
「むしろ俺、べつに隠す必要ないと思ってるくらいだよ」
「……」
「俺伊勢ちゃんと付き合ってるよ、って周りに言いたいもん。伊勢ちゃんからしたらありえないことかもしれないけど」
「いや、そんなことは……」
「伊勢ちゃんと付き合ってて一緒に住んでて超仲良くて毎日一緒の布団で寝てて毎日とはいえないけどほぼ毎日休みの日とかは特に何回もヤリまくってるんだよって言いたい」
「それはまじでありえないですね」
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