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こんな時間にどこ行くの

「今からドラッグストア行くんですけど、何か買ってくるものありますか?」 「ん、今から行くの? 車出そうか?」 「いやいいです、すぐそこなんで」 「でもこんな時間だしなんかあったら困るし」 「いやほんと大丈夫ですって過保護かよ」 「っていうかなに、伊勢ちゃんは何買うの? 明日じゃだめなの?」 「や、ちょっと」 「え?」 「まあ、飲み物とか、色々」 「飲み物なんかあるじゃん」 「いやあ、まあ色々見たいものあるんで」 「これはあれだな、なんか俺に言いにくいもん買いに行くつもりだろ」 「いやいやいや、そんなまさか、いやいやなんですかそれ」 「伊勢ちゃんほんと分かりやすいよな」 「いやいや……」 「コンドームなら俺が買ってきたからまだあるよ?」 「それじゃないですから」 「伊勢ちゃんが一人で使う用の大人のおもちゃはドラッグストアには売ってないよ?」 「当たり前だろっつーか俺そんなもん使ってねーわ」 「なに、そんな人に言えないようなもん買いに行くの?」 「いや別に……」 「早く正直に言わねえと浮気だと仮定して俺も色々考えさせてもらうからな」 「シンプルな脅迫やめてくださいよ……」 「じゃあ早く言えよ」 「だからあ……普通に、カミソリ買いに行くんですよ」 「カミソリこそあるじゃん使ってるやつ」 「いや新しいのほしいんですって、なんでここまで説明しなきゃいけないの」 「ちょっとそれだけじゃよく分かんないんだけどやっぱ浮気なの?」 「もーなんですぐそういう極端な話になっちゃうかな! ほんとにカミソリ買いにドラッグストア行くだけですって! 最近フットサル中に蒸れる感じあんのがイヤだからちゃんと処理しとこうと思って! それだけ! それ用のカミソリ欲しいだけ! もういいですか!?」 「……どこの毛剃るの?」 「なんでそこまで言わないといけないんすか!?」 「っていうことは俺が思ってる場所で合ってるってことだよな? 伊勢ちゃんのことだから足とかだったら普通に答えそうだもんな」 「はいはいそーですよ高岡さんが思ってるとこですよ! もーまじめんどくせえわこいつ!」 「……やっぱ俺が車出すわ」 「いやいいですって!」 「でも俺が実際に見ながら選んだほうがいいじゃん、使いにくいカミソリ買っちゃってケガさせたくないし」 「いやなんでアンタが剃ることになってんの!」

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