32 / 42
きみのからだ
「高岡さん高岡さん」
「ん」
「見てくださいこれ、画像整理してたら前にサークルの人とかと海行ったときの写真でてきた」
「あーほんとだ、懐かしいな」
「ははっ、高岡さんなんかこの日全体的に顔色悪いっすね」
「うるせーよ、どうせ海とか似合わねえよ俺は」
「これとかやべえ、顔めっちゃ死んでる!」
「うるせー。お前はなんかでかいパーカー着ちゃってあざとい格好してんな」
「ちが、これ高岡さんに強引に着せられたんすよ!」
「そうだっけ?」
「そうですよ! この日めっちゃ暑かったし俺全然着たくなかったんですけど、肌出しすぎとか怒られて強制的に着せられたんすよ」
「……なんも覚えてない」
「海来て水着着てて肌出しすぎとかまじ意味わかんないし理不尽すぎるんですけどまじで覚えてないんですか?」
「覚えてない。……でも俺だったらそういうこと言いそうだなと思う」
「言いそうだなじゃないんですよ、言ったんですよガチで。だからこんときの俺こんな格好してるんじゃないですか、一人だけ季節感謎でしょ」
「いやーでもそれはしょうがないよね」
「……普通に疑問なんですけど、男は女の子と違ってトップレスが普通じゃないすか。でも高岡さん的には乳首は隠すべきだろってことですか?」
「うーん……。っていうか、伊勢ちゃんの身体はどこ見られるのもいやだよ。乳首もだけど、太ももとか、腹斜筋とかも」
「ふ、腹斜筋? なにそれ」
「腹斜筋は脇腹の筋肉なんだけど」
「いや違うそれはわかってるんすよ、わかってるんですけど、腹斜筋見られたくないってどういうことですか……?」
「伊勢ちゃんの腹斜筋めっちゃエロいよ。自分で気づいてない?」
「いや……気づいてないっていうか考えたこともなかったんですけど……」
「あと二の腕とか、肩甲骨とかもエロい」
「な、なんで……?」
「なんでって言われても。そんなん俺が聞きたいんだけど。なんで伊勢ちゃんの身体そんなエロいの?」
「いや俺に聞かないでくださいよ、そんなん受け取り手の問題でしょ」
「とにかくエロいから人に見られたくないんだよ。だからパーカー着せたくなるのもしょうがない。でも俺のでかいパーカー着てんのもあざといしかわいすぎるからだめ」
「俺なんもしてないのに八方ふさがりじゃん!」
ともだちにシェアしよう!