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夢で逢えたらいいな
「おーい伊勢ちゃーん」
「……なんすかぁ……」
「あれ、起きた?」
「耳元でんなでかい声出されたら誰だって起きますよ……」
「いや何回も起こしてたんだけど。やっと起きたな」
「んん……」
「駅前の家系ラーメン食いいくっつってたじゃん、早くしねぇと昼の営業時間終わっちゃうよ」
「あー……やばいねっむい……なんか夢見てたあ……」
「起きれなくなるくらい楽しい夢見てたの?」
「んー……なんかあ……」
「誰出てきた?」
「たかおかさん」
「え、まじ? へえ~俺か~俺の夢見ちゃうんだ伊勢ちゃん」
「たかおかさんが出てきてえ、たかおかさんと一緒に布団で寝ててー……」
「ん? それ夢じゃないんじゃないの、まさにこの状況じゃん」
「そしたらなんか……たかおかさんいつの間にか俺の足のほうに頭向けて寝ててー……」
「やっぱ夢だな、それやってねぇもん」
「そんで俺のぱんついきなり下ろしてきてー……」
「え? そんなことやったっけ? ……いややってねぇわ。ちょっとリアルだったから騙されかけたわ」
「いきなりフェラされてえ……俺もお返しにやりはじめたところで目ぇ覚めたんすよ」
「……」
「……」
「……なにそれ」
「さー……」
「なにそれどーやったらそんな楽しい夢見れんの? 俺も見たいんだけど」
「いや……わかんないす……」
「あ、欲求不満? 欲求不満なの伊勢ちゃん、そしたら俺も欲求溜めこんだらそういう夢見れんの?」
「いやそんなもんじゃないと思いますけど」
「ちょっと俺もっかい寝るわ」
「ラーメンは?」
「また今度な」
「えぇー……」
「あ、ちがうわ。別にわざわざ夢で見る必要ねぇんだ、やろ。今からやろそれ」
「え、高岡さん寝ぼけてる?」
「俺寝ぼけてるかもしんないずっと起きてたけど」
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