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第109話 蜂蜜サンド
俺は自分のケツの穴を触ったことはあっても見たことはない。どんな色をしているのかとかはあくまで想像の次元であって、鏡でも使わないと真実を知ることは不可能だ。だから見もしていないのに名器を自称するのはおこがましいだろうけど、それでも俺は今回に限っては自信を持ってしまいそうになる。
「すげぇ、エッロ……」
「だろ? こんな縦割れでエロいアナルあるのかって思うよな、俺もそうだった」
2人が大絶賛してくる。ケツを褒められるなんて生涯なかったもんで、下半身がムズムズとはまた違う落ち着かない感じがする。縦割れってことは……読んで字の如く縦に割れてるってことだよな、でもケツ穴が縦に割れてるのはちょっと想像つかない。そもそもそこまで自分のも他人のものようく見たことがなかったケツでそんな話されても。
ただ明はそれがたいぶ気に入ったようで、震えた手で俺の割れ目つまり入口にぴとりと指を置いた。優しいというよりくすぐったいに近いぐらいに控えめだったから、思わず身震いした。でもその次は後ろから俺を捕まえている仁による乳首責めが始まる。弱々しく声を出すと、2人ともご満悦だった。
「やっぱ可愛いな梓は。ちゃんとどこがいいのか言ってくれよ」
「ふゎぁ、ううん……ひ、気持ちいい……ケツも乳首も、い、いっぱいして欲しい」
「そ、そうか……」
「初めてはあんなに怖がってたのに、こんな可愛くなるんだぜ。ま、俺のおかげだけどよ」
仁の声色でわかる、絶対ドヤ顔してる。声がもうドヤってる。しかし明は見ないようにしているのか、それとも普通に気が付いていないだけなのかは知らんが、俺の事を感動の眼差しで見るばかりだ。初心者丸出しの慣れない手つきで必死に指を動かしている。ああ仁もそんな感じだったなと思いながら、ひと回りもふた回りも明後日の方向に成長した俺を痛感した。
ゆっくり入り口をぐりぐりするだけに終わっていたその責めがどんどん強くなっていく。
「そうそう、まだちょっと力強くしても平気だから……うぅァあ!」
「ん? ど、どうした」
「ああ多分前立腺めっちゃ強く抉ったろ。そこが梓の性感帯だから、まあ痛くならない程度に慣らしてやってくれ」
「こ、こうか?」
「待て、まて明! そんな、ふぅ、遠慮なく弄らないで……んあぁ!」
気持ちいい。さっきまで右往左往していた頼りない明の指が、今度は前立腺を一点集中で抉ってくる。ほんとそこら辺は遠慮のないやつだな。いっその事これだけで正気を奪い去って欲しかった、実際もう正気なんてあってないようなものだったから、幸せなものだった。しかし後ろにいる伏兵により、その俺の切なる願いすらも払拭されることとなる。
「おいおい、まさかそんな前立腺いじるしか能のない初心者丸出しの奴だけにイかされる気なんか? ちゃんと乳首でも感じような」
そう無慈悲に言い放つと、割と控えめだった多分手加減してくれてた乳首責めが急に活発になった。突起はすっかり勃起を決め込み指でのぐりぐりだけでは物足りなくなっている。それを察したのか、仁は俺のそこに優しく甘噛みを……って甘噛みしてる!
「ひゃぁァ! ま、待て!」
「さっきから待てしか言ってねえのな。まあ可愛いからどんどん言ってくれ。じゃあ続きやるぞー」
「だからぁ、まてつってんだろうが!」
あまりの驚きすぎる責め方に、手が出てしまった。ほらアレだよ、目の前にいきなり知らん虫がいたら本能的に叩いちまうだろ。アレと同じような脊髄反射だったと思う。まあそこまで力を入れてないし、何より叩くと言っても後ろにいる仁の太腿に平手打ちをかましただけだ。
「まだ甘噛みは早かったか……ここまで恥ずかしがるとは」
「いやその、それは恥ずかしかったからさ、ごめん」
「赤ん坊がおっぱい吸うのと一緒だぞ。将来子供できたら梓が吸わせてやるんだよな?」
「赤ちゃんはそんな吸い方しねえよ、多分。あと俺は赤ちゃんにそんな事させねえからな」
「梓、指2本にするな」
「え? ちょ、ちょっと待て!」
なんでこいつらって1人が派手に動くともう片方もそれに乗っかろうとするんだ? そういう特性を持った未知の種族みたいに思えてきた。俺の抵抗や説得は虚しく、結局今まで中指だけだったらしい指は、人差し指が追加されて2本目になった。今まで中指だったんか、相変わらずガバガバだな俺のケツ穴。
「き、キツくないか?」
「うぁ……大丈夫だ。ちょっとはまあキツイけど、動いてたら慣れてくと思う」
「すげえなほんとに。まだ中指入れてから10分足らずでもう人差し指咥えてる」
「仁、うるさい」
「じゃ、じゃあ動くな。痛いとかそういうのあったら直ぐに言ってくれ」
そう言って遠慮しながらも、さっきまでの前立腺の位置を覚えていたようで、また2本の指による責めが始まった。仁に抑えられてるもんで、身を捩って快楽を誤魔化すことすらも出来ない。そしてどっちに視線を向けても、あるのは俺はの熱視線。それは地獄みたいに甘い、蜂蜜のような責めだった。
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