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第160話 ドジ踏んじゃった

天性のセックスの実技を持ち、予備知識も完璧とはいえ、根が童貞だ。ある程度の修羅場を超えた俺の力を持ってすればイチコロ、本音を言えば多分惚れた弱みを上手く使えたのが大きいんだろうな、惚れた弱みの使い方は壮大に間違えてるけど。 でも何より言いたいのが蓮くんがきちんと童貞でよかった、考えれば中学生で非童貞の方が問題だと思うけどとにかく童貞でよかった。そうじゃなきゃもっと骨が折れていたに違いない。中2の時、結構イケメンだったクラスメイトが高校生のエロいお姉さんであっさり初体験を済ませてたのを見て戦慄したのを思い出す。でも弟は違う、あんなにモテモテでファンクラブだけじゃなく追っかけまでいてもちゃんとこうして童貞は守ってたんだ。 「初めては絶対兄貴がいいんだ、なあ入れていい? いいよな、……このチンコ多分不全気味で射精遅いかもだけど」 「長谷部って不全だったんだね、意識がない中で童貞奪われるなんてかわいそー」 「いいんだよちゃんと許可取ってるし、しかも兄貴もフェラしたことあるんだっけ?」 「……マジ?」 「大マジだ」 初耳なんだけどと言った感じで後ろから視線を感じる、知らんぷりして前に意識向けても待っているのは不全で多分絶倫状態の長谷部のチンコだ。サイズは普通なのに威力が凶悪、普通のデカマラチンコが名刀なら、これはまさに妖刀といったところだ。 「長谷部にフェラしたん? いいな俺にもしてくれてよかったのに。次は別人格とはいえセックスかー羨ましー」 前を触るな、ヤキモチ妬いてんのはわかったから。そんなことしてる間にも目の前の妖刀がピトリと穴に触れて準備万端といった感じ。せめて慈悲を、優しくしてくれと最後の言葉として懇願した。 「安心して、最初行ったように優しくはする。もし本当にヤバいと思ったら殴ってくれてもいい」 「ほんと? 踊り子のとはいえ普通の高校生ぐらいの力で殴ることになるぞ」 「ほんと。まあそんなんする気力無くなるほどグチャグチャにすればいいだけだから」 安心していいのか絶望するべきなのか知らんが、遠慮なしにズブリと入り口に入ってきた。入っただけである程度の大きさが手に取るようにわかり始めている本格的に末期だな。こんなこと言いたくないけどもう慣れ親しんだ快感だ、でもいちいちエロい声が出るのは人体の構造上に原因があるのか、それとも単純に俺が変態なだけなのか、捻り出すように「あ″あ″ぁァァ〜〜〜♡」と声が出る。 汚いモノを聞かせてしまったと思っても後ろの誰かさんが片手で俺の手を完璧に拘束している、もう片方では未だに飽きもせずに乳首でコリコリと楽しそうに遊んでいた。余裕か、そういえばなんだかんだ職業は戦士系だし力比べで勝てるわけないのか。 「ほら、触手無しにしたら久しぶりのチンコだろ。まずはちゃんとならそうな」 「ァ、、あ、強くしないで……」 勃起チンコで前立腺を重点的に責められる、ゆっくりとしたそれはまるでキスするような優しいものだ。でも決定打いつまで経っても与えられないのはなかなか辛い。ちゃんと気持ちいい分イくような刺激がないのがもどかしくてたまらない、たまらず俺から迎えに行くように動こうとしても拘束されている、ただ甘ったるい刺激を享受するしかないそれは気持ちいいと羞恥のミックスジュースだった。 ゆったりとした出し入れでたまに奥へ入れてくれるのが嬉しい、結腸付近で交わされる熱いディープキスはそれだけで天にも登る快感を身体中に巡らせる。だけども、まだ足りない。 「激しくして欲しかったらすぐに言えよ、言うまでは何がなんでもこのスピードだからな」 成る程俺におねだりをしろと。もう一度言わせてくれお前本当に童貞か? もっと初めてらしい猿みたいなピストンと独りよがりの射精をしてくれていいんだぞ、百戦錬磨の俺をヒーヒー言わせてんじゃあない。さっき童貞でよかったそういったな、あれは嘘だ。いやいった時は嘘のつもりなんてなかった、只今この瞬間嘘になっただけだ。少なくとも初めてで非処女におねだりさせるほど追い詰めるような奴は胴体ではないと思っただけだ。 オラそこ蓮くんや、そっか急かさないんじゃあさっきまでみたくゆっくりチンコで慣らそうかなとかいってんじゃねえ。後ろもだ、俺も便乗してもうちょっと遊ぼうとか言うな、お前はどうせおねだりしてもしなくても遊ぶだろ。そういえば、仁も初めての割にめちゃくちゃ上手くて、ご丁寧に処女だった俺がおねだりするようになるまで焦らしてたな。……ひょっとして似てたりするんかな。 「う、ァゥ……激しく、中ムズムズして可笑しくなるから、、気持ちよくして……仁」 「はァ?」 「……あ、ゴメン今のナシ」 「もう遅い、バックアップが爆速で終わった」 「ついでに梓の命も終わるね」 やっべ今のは俺でもわかった地雷踏んじゃった。テヘペロなんてもんじゃ済まないだろう可哀想に俺、他人事ぶってもこれから始まる地獄はお前が受けるんだぜと理性が呆れている。

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