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第12話
「オマエ、……最中にクサいこと言うの辞めろ」
俺は抱かれたあと、身を整えながらトカゲ野郎に言った。
マレウスもまた身を整えながらこう言った。
「僕がお前に伝えたいことを言っているだけなのだがな」
それが俺にはむず痒くて仕方がなかった。
「俺がトカゲ臭くなったらどうしてくれるんだ」
「本当に僕が思っていることなんだが、そんなにクサいだろうか」
マレウスはいつものように茶化して言う表情ではなかった。
その真剣さは実に重い雰囲気で俺は言葉に詰まった。
「っ……」
「今のお前には必要な言葉だろうとも思っている」
コイツは俺の思いに多分気付いている、その時に直感がした。
「マレウス、オマエは」
「僕はお前が思っているより莫迦ではないと言うことだ」
もしオマエが俺の思っていることに気付いているなら、そのこと事態馬鹿だと俺は言ってやりたかったが辞めた。
「やっぱりオマエは気に入らねぇ」
「お前はもう少し素直になったほうがいい」
こともあろうに、マレウスは俺の首筋を撫でてそう言った。
「気まぐれな猫だからそこ、素直になってくれる瞬間があったら可愛いと感じる」
「はっ!!オマエに可愛がられてたまるかっ」
「僕はお前に欲しがられても与えてやるし、お前の前から消えたりするつもりはない。だから安心して欲しい」
そう言葉を残して、ヤツは緑色の光とともに消えていった。
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