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第37話

「ちゃっかり俺のクローゼットに逃げ込むとはいい度胸だな、ラギー」 息を整えジーンズを履いたレオナは、まだ息を荒くしているラギーに背を向けた。 「……すんません」 「軽蔑しただろ?俺は……、こんな男だ」 「あの、レオナさん……俺は」 「確か十歳になった夏に、俺に初めて国の政治家達からの謁見があった。第二王子の使い道はジジイどものシモの世話だ。俺はクソ可愛いガキだったしな」 「そんな酷い扱いの王宮だったんスか」 「まぁ、それだけが俺の仕事ってわけじゃねぇけど。……処理してやる、ベッドに上がれ」 「俺は、俺は……。レオナさんをそんな目で見れないッス!!」 ラギーは前屈みのまま、レオナの自室を去っていった。

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