42 / 104

第42話

ことの発端は二十歳で学生をやっているレオナは、アルコールをまだ飲んだことがないとうい話を耳にしたマレウスは、自室に通ってくるレオナに酒を勧めようと用意したのが発端だった。 『酒は心を裸にしてくれる、良いものなのだ』そう酌をしてやろう。 そう思っていざ用意したものの、今日は何故かレオナはいつもより姿を表す時間が遅かった。 それならとワインのボトルを開けて飲んでみたら、久しぶりに飲んだ酒が美味しくて、グイグイいっているうちに軽く酔ってしまったのだった。 そしてレオナが訪れたときにはもうマレウスはいい気分になっていた。 「キングスカラー、僕の花嫁に……」 「冗談だろ。男の俺を嫁にしてみろ、オマエはトチ狂った王だと一気に支持力は下る。それに 男の后なんて笑えねぇな」 レオナはというと、初めての酒を飲んでみようと選んでいた。 「ここよりも遥かに何も無いところだが、よいことろだ。なに、支持力が低下しても問題はない。僕の力で捻じ伏せるだけだ」 いつものマレウスよりも傲慢さが全体的に滲み出ていた。 「ふっ、……オマエそんなこと考えてたのかよ」 レオナは可笑しくて吹き出した。 「そういつも笑って僕の隣にいるがいい。僕がお前を幸せにしてやろう」 「っふははは……、酒の入ったオマエがこんなに笑えるヤツだとは思わなかった。そんなに酒ってのはいいもんなのかよ」 「とてもよいものだ。気持ちを裸にさせてくれる。まぁ、僕はキングスカラーの裸のほうが好みだが」 そう言ってマレウスはワインをボトルに口を付けて飲み干した。 「……いや待て、冗談だろ?」 「何がだ?僕がお前の裸が好きだということか」 「そうじゃねぇよ。オマエの嫁に俺が欲しいって言ったことだ」 レオナは本当に間の抜けた表情でマレウスを見た。 「僕の本心が冗談に聞こえるのか。失礼にも程があるというものだ」 マレウスは完璧主義に酔っていた。 「もしそれがオマエの本心なら、本当に笑えねぇ」 レオナは酔って近付くマレウスを突き放した。 しかし酔っていてもマレウスだ、逆にその払った腕を掴み強引に引き寄せた。

ともだちにシェアしよう!