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第62話
「キングスカラー?」
「……」
昼休みに廊下を通るときに出くわすことがあっても、俺はヤツに視線も合わさず絡むこともなく、無視し素通りした。
「レ、レオナさん……。マレウスさんに絡まなくていいんッスか?」
いつもと様子が違う俺にラギーは心配してるのか声を掛けてきた。
「なんで俺がヤツに絡まないといけないんだよ」
「え?!だってレオナさんのカレシなんッスよね」
なんであんなクソトカゲ野郎が彼氏なんだよ。
どう見ても、ただのセフレだろ。
今はセフレ以下だ。
「オマエ何言ってやがる。……あんなヤツどうだっていいんだよ」
あんなヤツどうだっていい。
たとえ選手として強くても、マジフトが嫌いなヤツは俺からしてみたら、どうだっていいヤツだ。
「ホントにどうしちゃったんッスか、レオナさん……」
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