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第63話
「レオナが通常通りで本当に良かったのう。探さずに済んだ」
俺はいつも通り午後の授業をサボって温室の亜熱帯ゾーンで昼寝をしていると、珍しくリリアが来た。
「なんだよ……、昼寝の邪魔だけはやめろ」
「レオナよ!!マレウスを捨てないほしいのじゃ」
コイツは俺に何を言いに来たのか、大体察しがついた
「……」
「マレウスに覇気がないのは、レオナが無視をしているからじゃ!!……あやつは意外とナイーブなところがあるからの、虐めないでやってくれ」
無視するも何も俺はヤツがどうでも良くなっただけだ。
「はっ、流石陰気トカゲ野郎だな」
「マレウスがどれだけレオナを想っているか知っておろう。おぬしに嫌われたら、あやつ……自害するかもしれぬ!!」
「大袈裟だなオマエ。過保護もいい加減にしろよ」
「それだけマレウスが落ち込んでいるということよ」
俺はコイツを無視して昼寝をすることにした。
「勝手に吠えてろ。俺は寝る」
「レオナ!!お願いじゃ……、マレウスを捨てないでくれんかのー!!」
超音波のようなリリアの声を、俺は無視した。
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