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第64話
マレウスを無視して一週間が経とうとしていた俺は、流石に身体がダルくなっていた。
「……っ」
数日と空けずにマレウスとセックスという行為に没頭していたツケがこのザマだった。
実家(王宮)にいたときさえ、こんなに何もしない日々が続くことは滅多になかった。
欲求不満で何もする気が起きない俺は移動教室すらせず教室で突っ伏していた。
その時だった、誰かの手が俺の身体に触れた。
「……ホントだ、殆ど意識ない」
「だろ?オレの兄貴がレオナさんのこと『歩く肉便器』って言ってたんだ」
「ヤッちまおうぜ」
誰だか分からないが、声から人数は三人だと分かった。
『歩く肉便器』か、懐かしい響きだ。
俺のセンパイの一人がやたらと俺に言っていたことを思い出した。
「はっ……、オマエはセンパイの弟か」
「おっおお起きてるじゃねぇか!!」
「抑え込めっ、マジカルペンさえ使わせなきゃ敵じゃねぇ!!」
三人のうち二人が俺の腕を床に押し付けて一人が俺の制服を乱した。
ワイシャツのボタンが勢いで吹っ飛んでいった。
「着替えのとき、やたら乳首がイイって思ってたけど……」
「色黒なのにピンクってエロいよな」
身体を弄る複数の手に俺は感じて身を捩った。
「ぁ、……んっ」
三人のうちの一人が俺のベルトを外している。
慣れていないのか、震えている手がぎこちなくて内心笑った。
数十秒掛けて下着まで下ろせたか。
「エロいっ」
「はぁ、レオナさんのもう勃起ってる」
感想はいいから早く触れと俺がと言おうとした途端、その三人は横にスッ飛んでいった。
「ぐはっ!!」
「ゴホッ」
「っつ!!」
床に這いつくばった三人は何が起こったか分からない状態で慌てて教室を去っていった。
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