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第65話
「……何故抵抗をしないのだ、キングスカラー」
緑色の光の中から現れたのは、言うまでもなくマレウスだった。
だからといって俺がマレウスと口を利く気にはならなかった。
「……」
起き上がり、ズボンを整えた。
そのときに、ヤツの腕が俺を捉えた。
「キングスカラー、頼む!!……僕と言葉を交わしてくれっ」
「いやだね」
あまりにもマレウスが必死過ぎて驚いた俺は口を利いていた。
「何故僕を無視するのだ?!……そんなに僕が嫌いか」
「オマエがマジフトが嫌いなくらい、俺はオマエが嫌いだ」
するとヤツはすんなりと俺に謝った。
「お前が好きなマジカルシフトを侮辱したことを素直に謝ろう、済まなかった。……けれど、憎いのは仕方があるまい!!……お前は朝の練習のせいで、僕の部屋で朝を迎えてはくれないのだから」
……は?
「なんのことだ?」
「だから、マジカルシフトの朝の練習のせいでキングスカラーは行為の後直ぐに帰ってしまう。それが僕にとってとても辛いのだ」
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