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第71話
「キングスカラー、お前はとても魅力的だ」
身体の関係を三年も続けている茨の谷の時期王のマレウスがいきなり俺を褒めてきたので、妙にムズ痒くなった。
「どうしたクソトカゲ……。俺を褒めるなんて、オマエらしくねぇ。なんか悪いモンでも食ったか」
「そうだな。出来たらキングスカラーが食べたい」
「オヤジクセェ!!トカゲ臭いにプラスされてオヤジ臭いぞ、近寄るなっ」
そしてマレウスはこう続けた。
「キングスカラー、お前はとても美しい」
一体どういうつもりだろうか。
気味が悪くなり、横になっていた身体を起こした。
「おいおい、一体何なんだ?!俺に夢でも見てんのかよ、気色ワリィ……」
「僕は嘘をつくような男ではないのだが」
確かにマレウスは傲慢な男だが、嘘をつくヤツじゃないことを俺は知っている。
「俺を褒める時点で、本気にはしてねぇよ」
「何故お褒め言葉をお前は素直に受け取れないのだ?」
「なんでだろな」
人を茶化しているか冗談だろう。
だが冗談でもそんな言葉を聞けるような俺じゃなかった。
俺は服を上半身脱いで、俺より一周りデカいマレウスの身体に身を預けた。
「どうするんだ、マレウス。このままこの話を続けるつもりなら、俺は寮に帰って寝るだけだが」
「……」
何か言いたそうな顔をしているヤツは、言葉を続けるのを辞めて俺と唇を重ねた。
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