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第97話 しつこいほどに愛おしい。

「オマエのねちっこい前戯が嫌いだ」 これから性交渉しようというときにキングスカラーは僕に言った。 「僕の前戯はそんなにしつこいだろか?」 キングスカラーは既に裸、僕は上半身裸の状態だった。 今更止めることは不粋というものだろう。 「今までどのくらい経験があるのか知らねぇが、何も言わない相手だったら、我慢強いヤツだったってことだ」 「言われたことはないが……」 言われたことはないが、今までの夜伽の相手がまた次に来ることはなかった。 そして全ての相手が前戯によって気を失い、挿入によって痛いと逃げ出していた。 「そうか、……僕の前戯はしつこいのか」 「今までの俺の相手の三倍はある」 「僕はそんなにか?!」 キングスカラーはハハハッと笑って足を広げた。 「俺もそんなに我慢強いほうじゃない。さっさと挿入れろよクソトカゲ」 「お前ほど即席な奴は居ないとは思うが、これからは善処しよう」 別に傷付いたわけではないが、言う通りキングスカラーの中に挿入し腰を揺すった。

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