97 / 104
第97話 しつこいほどに愛おしい。
「オマエのねちっこい前戯が嫌いだ」
これから性交渉しようというときにキングスカラーは僕に言った。
「僕の前戯はそんなにしつこいだろか?」
キングスカラーは既に裸、僕は上半身裸の状態だった。
今更止めることは不粋というものだろう。
「今までどのくらい経験があるのか知らねぇが、何も言わない相手だったら、我慢強いヤツだったってことだ」
「言われたことはないが……」
言われたことはないが、今までの夜伽の相手がまた次に来ることはなかった。
そして全ての相手が前戯によって気を失い、挿入によって痛いと逃げ出していた。
「そうか、……僕の前戯はしつこいのか」
「今までの俺の相手の三倍はある」
「僕はそんなにか?!」
キングスカラーはハハハッと笑って足を広げた。
「俺もそんなに我慢強いほうじゃない。さっさと挿入れろよクソトカゲ」
「お前ほど即席な奴は居ないとは思うが、これからは善処しよう」
別に傷付いたわけではないが、言う通りキングスカラーの中に挿入し腰を揺すった。
ともだちにシェアしよう!