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第101話
「寮長は爪を伸ばしてるんッスか?」
あのときはまだラギーは俺を寮長呼びをしていた。
まだラギーは一年で、マジフト部で補欠選手だったが、他の選手よりもセンスはよかった。
だが顧問のバルガスはラギーを選手にはしなかった。
丁度そのときにラギーが俺の長い爪を指摘してきた。
「別に爪なんて切らなくても、長すぎれば割れて折れるから気にしてねぇよ」
まさか爪を切ることを自分でしたことがないなんて言えねぇし、実家(王宮)を出てからそうしているので、さして気にしてなかったことをラギーに言った。
「えぇっ!!それ痛いッスよね?」
「まぁ、ちったぁ痛いけど」
「その爪俺が切ってあげたら、何かくれますか?……って冗談ッスよ」
ラギーは冗談だと言ったがらその慣れた口振りから冗談じゃないことに気付いた俺は笑って言った。
「なんだ冗談か。それが冗談じゃねえなら……、そうだな。明日の昼飯奢ってやるよ」
「冗談じゃないッス。超本気ッス!!」
「なら夕飯前に俺の部屋に来い。俺の爪を切りに来い」
ハイエナの獣人族は大体がスラム街に済んでいたことを知っていたことを思い出した俺は、ラギーを使えば何不自由なく、過ごせると思っていた。
が、俺は直ぐその考えを変えた。
「りっ寮長……、何ッスかこの部屋?こんなに荒らされて、空き巣にでも入られたんじゃ」
「……俺の部屋がそんなに汚ぇか?」
こうしてラギーは一週間分の昼飯代を浮かし、俺の部屋を片付けた。
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