268 / 279
番外SS⑫ 陽介と父と母
※19『お前がくれた勇気』関連。DNA鑑定のため、勲の歯ブラシを入手しに実家を訪れる陽介です。
陽介母「陽介、実家に帰るなんて久しぶりねえ」
陽介「こっちに残してきた資料が必要になってさ」
母「……? 刑事事件の資料?」
陽介「(沢木さんの弁護を見越して)ちょっと必要になってね」
母「(はっ。お父さんが逮捕されるのに備えているのかしら? 何て親孝行な息子なの! じーん。父親は、あんなドクズだってのに……)とにかく、夕飯でも食べていきなさい」
陽介「(待ってました)じゃあ、遠慮なく」
夕食後、陽介は洗面所から勲の歯ブラシを失敬して帰っていく。その後……。
勲「帰ったよ。夕飯は?」
陽介母「あるわけないでしょう。厚かましい! (何だか急にムカついてきたわ。陽介に出した残りだって、やるもんですか)」
勲(? 何だか機嫌が悪いな。また女関係で腹を立てているのかな。まあ、○わしコロッケを出されるよりはマシか。仕方ない、カップ麺でも食べよう)
そして食事後。
勲「おい、私の歯ブラシがないぞ?」
陽介母「知るもんですか!!」
勲(やれやれ、カッとなって捨てたか。コンビニで買って来よう。とぼとぼ……)
※全体としても完結です。長らくお付き合いいただき、ありがとうございました。
ともだちにシェアしよう!