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〈帰り道〉神々の立ち話
「よお。あの世界、やっと進んだんだって?」
「ああ。やっとな。大変だったぜ。相変わらず天上 鬼畜過ぎる」
「お前んとこ、魔王退治ずーっと繰り返してたもんな」
「もういい加減嫌になってな。これでダメならあの世界潰す気だった」
「怖えーな」
「幼なじみが可哀想でさ。勇者が死んだ後がいつも悲惨で。魔物に食い散らかされたり街に帰っても火あぶりになったり。オレ的には勇者よりあいつが主人公」
「うわ、悲惨。どうやってクリアしたんだ?」
「勇者にバースト付けた。その発動条件が〈プロポーズのお断り〉なんだぜ?幼なじみ、また可哀想だった。ホント天上 の野郎 鬼畜。そしてバーストのせいで、今回の勇者めっちゃ残念ww」
「さすが天上 ww でもこれで歴史が進んだってことは、幼なじみが世界を救ったって事じゃね?」
「そうだよ。あいつのお陰で世界を消さずに済んだし」
「結局幼なじみが救世主かよ」
「そういうこと」
「じゃ、奴を精一杯祝福してやんなきゃな」
「ああ。神の御加護をな」
「神の御加護を」
眩しい。
魔王を倒して元・勇者となったこいつと街に帰る途中、雨上がりに大きな虹が掛かった。空気は澄み渡り、残った水滴に光が乱反射し、辺り一面眩く光輝いていた。
「……凄い。神様が祝福して下さってるんだ……」
「……ああ」
「お前頑張ったもんな。良かったな」
「お前がサポートしてくれたお陰だ」
「ご謙遜を。勇者さま」
ひじで奴の横腹をつつく。そして二人で笑い合った。
「ありがたい事だな。――神の御加護を」
「――神の御加護を」
〈了〉
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