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二人で帰る道 ※

奴に角度を変えて数度啄んでいくと、唇が薄く開いて舌が口内に迎え入れられる。舌を絡めとり、歯列と上顎を舐めまわすと 「んぅ……」 むずがる声が漏れた。 さっきまで乱暴に奪い取ろうと思っていた彼の体が、今度は壊しそうで恐ろしく、恐々としか触れない。 初めてのこいつにはそれすらも刺激が強いようで、耳の穴を舐り、乳首を捏ね回すだけで息を詰めて背筋を引きつらせている。腕も脇も太腿も、その他ありとあらゆるところに掌と唇を這わせ、熱い吐息を吐かせた。 「もういい、もういいからぁ。もうやだぁ」 ゆっくりと丁寧に後ろをほぐして散々身もだえさせると、グッタリした奴から涙声で制止の声が掛かった。 俺は張り詰めた怒張を後孔に宛てた。 「力抜いてろよ」 「ん。……ぁ、ぁああああ!」 充分ほぐしたのに奴の中は狭く、俺を押し返そうとする。それを強引に奥へ奥へと進めていく。 全てを収めきって息も絶え絶えな様子に乱暴にしなくて良かったと心底思った。大きく抜き差しして互いを追い上げていく。 「あっ、あっ、あっ、ああっ、い、いく、あああ、あああぁ、あああ!んんっ、いく、ぅう、ぁああ!!」 「っ、っく、!!」 ああ、やっとーー ほぼ同時に達し、充足感が体と心を満たした。 その時、何故俺が無理やりにでも奪いたかったのか分かった。 俺もどこかで知っていたのだ。いつも気持ちだけ繋がって体を交えることなく置いて逝ってる事を。こいつの全てを俺のものにして逝きたい。転生するたびに未練が積もっていったのだろう。その気持ちが今回暴走してしまったのだ。 二人で生きていく。 それは長いあいだの共通の願いだった。 その願いがやっと。やっと叶う。 荒い息の下、脱力した体を抱きしめ合い、キスをした。 高級エリクサーの代金は月々の小遣いから天引きされることになった。 あのおっとりした子供が随分逞しくなったものだ。 幼なじみがいつも独りで帰っていた帰り道を今度は二人で帰る。 嫁の尻に敷かれる暖かな家庭を作るために、残念勇者は彼の手を握りしめ、来た道を二人で引き返して行く。

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