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忘れている

* * * * あれから1週間、何事もなく…いや、何回か光葉に襲われたがそれ以外は何もなく過ぎた。 「おーい、秋。お前今日暇?」 大学の授業終わり、俺が荷物をまとめ帰る準備をしていると、友達の優が声をかけてきた。 「まあ、それなりに。」 「じゃあ、久しぶりに俺の家来ねぇ? お酒とか色々買ってみたんだ!」 「へ~、いいねぇ。」 ニコニコと話す優は、今から楽しみで仕方ないという顔をしている。俺も20になってまだお酒を飲んでいないから、初めてお酒を飲める事に楽しみを感じていた。 「てか、前俺のメール無視しただろ?」 前のメール…? あ、光葉が拗ねてた時のか…。 「あ、ごめん、忘れてた。」 ニコニコしていた優の顔が眉にシワを寄せ、ぷーっと口を膨らませている。 コイツ喜怒哀楽激しいな…、なんて思ったのは内緒。 それから、他愛もない話を繰り返すと、あっという間に時間が過ぎた。 「あ、もうこんな時間。そろそろ俺の家に行くか。」 「あぁ、そうだな。」と言うと俺達は立ち上がり、大学を出た。

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