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第9話
「ふぁあ……よし、まだ昼前」
朝から適度な運動と再びの睡眠で心地よい目覚め。
元々は結構な夜型のつもりだったけれど、朝陽と過ごすようになって朝早く起きるのも悪くないと思えてきた。早起きは三文の徳とはまさにこのことだと思う。
大きく伸びをして、とりあえずシャワーを浴びてメールチェックから始めるかと寝室を出たところでテーブルの上に置かれていたものに気づいた。
とりあえずメモを手に取って目を通す。
【誰かさんのせいで時間がなかったので朝ご飯が作れませんでした。代わりにこれ食べて僕を想ってください。また夜に】
そんな可愛らしくあてつけがましいメモにはちゃんとサインが入っている。それとともにテーブルの上に置かれていたのは朝陽がCMをしているブロック状のバランス栄養食とスポーツドリンク。
朝から盛った相手への体の気遣いにフォローも忘れない辺り、さすがとしか言いようがない。
なにより仕事前の時間がない時にわざわざこんなメモを書いている姿を考えれば、そりゃあもう愛しく思わずにいられない。
ご厚意に甘えてありがたく栄養を補給しよう。そして今日もはりきって仕事しましょうか。
朝陽のおかげでインスピレーションも湧いてくるし、ついでに朝陽に捧げる曲でも作ってみよう。
タイトルはどうするか。
……「可愛くてエロい俺の王子様」とかは、さすがにまずいか?
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