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②
「羽鳥、睫毛ついてるぞ」
「ん?どこ?」
「目の下のとこ。ほら、取ってやるから目つぶれよ」
(あぁ゙あ゙ッ!!!)
何、顔近付けてんだあの猿ッ!?
息をするようにタラシこんで…
ちょっ!?本気でチューする気なんじゃ‥
ここが教室で、周りに人が居ようが関係なしに
羽鳥に顔を近づけようとする
それを見ていた女子達の甲高い悲鳴がだんだん大きくなって
『ねぇ、あれってキスしちゃうんじゃない?』
そんな声を耳にした瞬間…
「ッ、ぉ、おっとーー手が滑った!」
「痛てェッ!!〜〜っのバカ犬ッ
いつもいつも『手が滑った』だの『長い足だから』だの、チビのくせしてどこにそんな自慢な手足があるってんだ」
「なッにぃいいいッ、あ痛で!」
「おーっと、悪ィな。自慢出来る手足が長いもんでよ」
「この猿ッ、いや違うなぁ〜このテナガ猿めバーカバーカッ」
「ッチビ犬がっ」
マジムカつくッ
すぐ俺に突っ掛かってくるのも腹立つけど
それ以上、頭に来るのは
俺の癒しの羽鳥(ハトリ)に
ベタベタ触りやがって
しかも色目を使ってるのが
1番ムーカーつーくーッ!
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