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第20-3話●性急に壊されて
直後、彼の息が詰まり、私の中を熱で満たす。
呆気なく果ててしまったが、彼の硬さはそのままだった。
まだ絶頂の脈が収まらぬ間に、彼は再び腰を揺らして私を味わう。
「あぁぁ……まって……ぁ……アっ……ひ、ぁ……」
「待たない……っ、もう、俺だけのものだ……エケミル……っ」
息を詰まらせながら先王陛下の声で呼びつけられて、耳から頭の芯へと甘美な痺れが走りに抜けていく。そして私の中は簡単に絶頂を迎え、この身を溶かす。
力が入らない。思わず体勢を崩しかけた私を、彼はすかさず抱き留める。
そして抱き上げて寝台へ私を寝かせると、脚を大きく開き、早々に収まらぬ滾りを私に埋めた。
「ん……っ……ぁぁぁ……ま、た……ぁあああ……ッッ……はぁ、ン――」
もう何をされても快楽を覚え、何度でも弾けて堕ちていく。
簡単に絶頂を貪る獣へと変わり果ててしまった私を、彼はうっとりと目を溶かしながら見下ろす。
「まだ足りない……もっと壊れてしまえ……俺のことしか考えられない体になればいい」
私の狂気に侵され続けてきたせいか、夢中になり過ぎて彼の言葉が乱れている。
それがたまらなく心地良くて、ますます私は彼に堕ちてしまう。
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