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第21-1話●朦朧とする意識の中
重なり続ける快楽に溺れていく。
次第に視界の点滅は小刻みになり、意識が途切れていく。
何度も私は彼に高みへ連れて行かれ、底へと突き落とされる。
間違いなくその瞬間、私は快楽に殺された。
浮遊感を覚える体と意識が心地よくて、このまますべてを手放し続けたいと望んでしまう。
けれど彼は私が楽になることを許さない。絶頂に放心する私の唇を労うように優しく口付けながら、最奥を揺らし、淫らな疼きで快楽の海に沈む私を引き上げてしまう。
もう絶頂が止まらない。
彼と繋がり続ける限り、私の体は壊れたまま。
一番好きな彼の顔を眺める余裕すらなくなり、頭の中から現実が薄れていく。
……私を抱くのは誰だ?
愛しい陛下は亡くなられたというのに、なぜ今、私は陛下に貪られている?
陛下は私の中で生きているのか?
それともこれは別の誰か?
ならばこの者は誰なのだ?――私は彼の名を知らない。
陛下の名を呼んでも反応しない。
乱れる私を時折見下ろし、恍惚の表情を浮かべる。そしてすぐにこの身を深く抉りながら私の唇を食い散らかす。
私がまた奪われ、彼に貫かれて殺される。
それは執着を通り越して怒りにも思えて、私の身の内を燃やし尽くそうとしてくる。
まるでこちらへ来いと陛下に望まれているような。
俺を見ろと悲痛さを露わにして訴えられているような。
――もう誰でもいい。私を壊してくれるなら。
何もかも壊してしまいたい。
陛下に尽くし続けた私自身も、ともに育てていたつもりだったこの国も、陛下の面影が残るものも、すべて――。
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