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第1話

西暦2273年。 水の惑星地球。 世界人口は、およそ84億人。 その内の4割を獣人が占めると言われている。 約100年前に突如、獣人が現れて以来。 その驚異的な繁殖力と知能の発達により、人類の生活に溶け込みその数を増加させていた。 ――100年程昔。 地球に無数の隕石が降り注ぎ、人類は絶滅の危機に瀕した。 しかし何処からか現れた6人の獣人により、人類は救われたと語り継がれてきた。 今も尚、獣人たちの出現には、多くの議論が飛び交い。 研究者たちにより、立証を求める声が相次いでいる。 政府もまた獣人たちの出現経緯に固く口を閉ざし、公にしない事から特殊な研究実験で生み出された生命体ではないかとも囁かれ、依然として真意は分からないままだ。 地球に獣人が現れてから約100年。 獣人には二通りの姿が存在している。 一つは、 人間の顔や身体に獣の耳や尾を持つ者。 もう一つは、 二足歩行で全身を毛に覆われ、獣の身体をしている者だ。 獣人は、犬や猫。 兎や鳥といった遥昔から、人間が愛玩動物とし関係を築いてきた動物を祖に持つ者が多い。 身体能力の高い獣人は、自衛隊や警察官等の職種に就くものが多く。 人間は獣人に護られ生活している。 知能の発達も目覚しい獣人は、医者や科学者等の分野でも活躍の場を広げ、職場に獣人がいるという事も珍しい事ではなかった。 (けもの)の血を引く獣人は、成長と共に3ヶ月に一度繁殖期を迎えるため、蜜月休暇という制度が存在している。 蜜月中の獣人は、血の気が盛んになる事も多く。暴行等の被害に遭う人間もいる為やむを得ない制度と行っても過言ではない。 獣人もまた薬剤を服用する事で、衝動的な感情をコントロールし人間と共存している。

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