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第3話 逢瀬の時間
「な、なんだよ? これ? 少女まんがか、ホモマンガか、どっちなんだよ?」
思わず頓狂な声を出してしまう浩貴。
「そういうのボーイズラブっていうらしいよ。今けっこう流行ってるみたい。オレも聞いたことはあったけど、さすがに読んだのは初めてだよ」
翔多はなぜかとても楽しそうに答える。
「……ああ、そういえば、オレもなんか聞いたことあるわ。でも、いったいどうしたんだよ? その本」
「隣の席の遠藤キョウコさんが貸してくれたんだ。是非読んでみてって。なんかオレと浩貴ってホモにもてそうなんだって。ねー、それって喜んでいいのかなー?」
「……さあ、どうだろ」
なんと答えればいいのやら。
溜息をつく浩貴から雑誌を奪い返して、翔多はニコニコと楽しそうにページをめくっている。
無邪気を通り越して、能天気なほどの明るい笑顔。
翔多は普通にしていれば、儚げで、どこか憂いを含んだ雰囲気を纏っている。そう、イケメンというより、美貌といった言葉がぴったりくるような容姿をしている。なのに、性格は天然系である。
見た目と性格のギャップが激しいのだ。
女の子たちは、そのギャップにがっかりすることが多いらしいが、浩貴は、翔多の容姿と性格のアンバランスさも、彼の大きな魅力の一つだと思っている。
「な……翔多……」
「え? ……んっ……」
浩貴は翔多の手から雑誌を取り上げ、放り投げると、再び彼をベッドへ押し倒し、唇を重ねた。
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