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ふたりの時間(1)

「…うーん…」 目が覚めると…知らない天井の景色が広がっていた。 えーと…ここは… …あ、そっか…シルクさんちか… 普通に事務所っぽいスペースの床に、 普通の敷布団が敷いてあって… 僕は、そこに寝かされていた…らしい。 ふと横を見ると… シルクが、向こうを向いて寝ていた。 「…」 とりあえず僕は、いったん身体を起こした。 そして、布団から這い出た。 はだけたシャツしか着ていなかった… ズボンとか、どこいったのかな…と思って 辺りを見回すと… テーブルの上は、 昨夜の宴会で散らかったままだった。 僕は…とりあえずそのまま、 のそのそと、洗面所に行って… それから、そこら辺のコップに水を汲んで、 ゴクゴクと飲み干した。 「ふうー」 まだ頭も身体も、ボーっとしていた。 僕は、結局また… そのまま布団に戻って、横になった。 と、シルクがモゾモゾと動いた。 彼は、僕の方を向いて…そして目を開けた。 「…あ…おはよう…ございます…」 「…」 シルクは黙ったまま…手を伸ばして、 僕の頭を自分の方へ引き寄せた。 そしてそのまま…僕に口付けた。 「…んっ…」 しばらくして、口を離すと… 彼は僕の顔を愛おしそうに撫でながら、目を細めた。 「いいな…起きたらお前が横にいるって…」 シルクはそう呟くと、 また…僕にそっと口付けた。 それから彼は、僕から離れて…大きく伸びをした。 「ふぅーーっ」 そして、ゆっくり起き上がって、布団から出て、 洗面所の方へ歩いていった。 僕と同じように、彼も下は何も履いてなかった… 冷蔵庫から何やら取り出してゴクゴクと飲んでから… シルクは、ベランダの窓を開けて… 煙草に火をつけた。 その気配を感じて…僕も起き上がった。 そして僕もそこへ行き…同じく煙草に火をつけた。 なんかちょっと恥ずかしい光景だ… 「…他の皆さんは、帰ったんですか?」 僕は彼に話しかけた。 「…うーん…あんまり覚えてないけどねー居ないってことは、帰ったんだろうね」 「…あはははっ…確かに…」 僕も必死に記憶を手繰り寄せてみた… 飲み直しのあと… またDVDを流して… それから、シキさんが歌ってるYouTubeも観たような気がするなー また御三方の愚痴大会みたいになってー それから… 「お前が落ちたのは覚えてる…」 シルクが言った。 「そんで布団出して…最初はサエが一緒に寝ながら、お前を弄ってた」 「…」 マジですか… 記憶のないところでまで… 「それからショウヤも貼り付いてたなー。寝てるカオルさんヤバいとか言ってた気がする…」 むっつりスケベだからな、彼は… 「ハルトとカイを見送った記憶はあるな…あとは、たぶん俺も寝ちゃったんだろうなー」 そう言って煙草を揉み消すと… シルクは部屋に戻っていった。 僕も彼の後に続いた。 そして彼は… そのまま、また布団に潜ってしまった… 「…あの、これ片付けますか?」 僕はテーブルを指差して、言った。 「んーいいよ、後でやる。もうちょっと寝る…」 シルクはめんどくさそうに言った。 「僕…やっときましょうか…?」 「いーよいーよ…後で…」 そう言いながら…彼は布団から顔を出して、 僕に向かって、手を伸ばした。 「…おいで…」 「…」 いわれるがまま…僕も、また布団に入った。 と、シルクは僕の身体を… 自分の身体の上に覆い被せるように引き寄せた。 「…!」 僕の身体が…シルクの身体の上に乗っかって… ちょうど、彼のモノと僕のモノが、 擦れ合う形になってしまった… 「…気持ちいいな…」 シルクは、そう言いながら… 僕の顔を…下から両手で持ち上げた。 「たまには、お前からチューして…」 「…」 僕は、また言われるがまま… シルクの顔を見下ろしてから、 彼のくちびるに、自分のくちびるを重ねた。 「…んっ…」 シルクが、舌を出してきた。 僕はそれを、自分の舌で受け止めた… なんか… ラブラブカップルみたいなチューだった… それをひとしきり愉しんだところで、 シルクはまた、僕の身体を横に下ろした。 僕の肩に手を回し…頭を抱き寄せて… 今度はその体勢で、また何度もチューをしてきた。 チューしながら… シルクの手は、僕の乳首を触り始めた。 「…んんっ」 いつもみたいに、僕を玩ぶ感じではなく… ただ単に、自分が愉しくて触ってる感じだった… 「…んっ…ん」 僕は少しずつ…ピクっとしてきた… 「…」 シルクの手が止まった… あれ…? 僕のくちびるを塞いでいた彼の口が、スーっと離れ… 気持ちよさそうな寝息が漏れた… 「…ふふっ」 シルクさん可愛いな… 僕はシルクに、もう一度僕からチューをした。 そして…目を閉じた僕も、 そのままほどなく寝息をたてた…

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