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シキの陰謀(4)

シキの部屋は、 2Kだったが、割と広い印象だった。 シルクんちほどではないが、大きな画面のPCがあり… その前のテーブルに買ってきた飲み物を置いて 僕らは並んで座った。 シキはPCの電源を入れ…すぐにYouTubeを開いた。 「カオルもこれ、ちょっと飲む?」 そう言いながらシキは、氷とグラスと取りに立った。 「あーはい、じゃあちょっと貰います」 彼は、グラスを2つと、 アイスペールに氷を入れたのを持って戻ってきた。 「カオルのトキドル観たい」 グラスに氷を入れながら、シキは言った。 僕はマウスを操作して… 僕が歌ってるLIVEの動画を開いた。 「…これ、こないだの…僕が2回めのヤツです」 そして、例の2度めのLIVEの動画が、始まった。 「これ、ホントにお前?」 「…よく言われます…」 「だよねー」 シキさんも歌ってた曲を、 僕が歌ってるってのが、ちょっと恥ずかった。 シキは、画面に食い入るように観ていた。 「へえーそういう解釈なんだな…」 観ながら彼は呟いていた。 そして後半…新曲のコーナーになった。 「これ、新曲?」 「あ、はい…そうです」 「なんか、エロい感じになってるけど…」 「…っ」 ちょっと恥ずかしくて… 僕は彼が作ってくれたウイスキーのロックを、 一気に飲んでしまった。 それを横目で見たシキは、 ついに本題に入り始めた。 「ねえ、あいつらに…どんな風にされてんの?」 「…っ」 「カオル…可愛いよね」 言いながらシキは…僕の肩に手を回してきた。 「…え、だってシキさん、そっちじゃ無いって…」 「…どっちもイけるって事」 と、いきなりシキは、 僕をその場にドサっと押し倒した。 「…やっ…」 まさかの展開に動揺を隠せず、 目を丸くする僕を見下ろして…シキは言った。 「ホントはね、俺より評判のいいお前を潰そうと思って呼んだんだ」 「…!」 「…だけど、実際に会ったら気が変わった」 「…」 「欲しくなっちゃった…」 「…?」 「あいつらから、カオルを奪いたくなっちゃった」 「…」 なに? 何かまたオカシイこと言われてる? 酔っ払った頭で、僕は必死に考えた。 「トキドルからお前を奪ってやるってこと…」 キッパリ言いながら… 僕の両腕をガッチリ押さえたまま、 シキは、僕に口付けてきた。 「…んっんん」 僕は首を振って抵抗した。 彼は今度は片手で、僕の顎を掴まえて、 しっかりくちびるを重ねてきた。 僕は空いた片腕で、必死にシキの身体を押し返した。 シキは再び、僕の両腕を押さえた。 「…やめて…ください」 僕はシキに向かって言った。 彼はすぐに返した。 「なんで?あいつらにはヤラセるくせに?」 「…」 言い返せなかった… でも違う。そうじゃない。 誰にでもヤラセるってことじゃない… 僕は、ただただ、大きく首を横に振った。 「あいつらに操を立ててるってわけ?」 「…」 僕は目を閉じて、小さく頷いた。 「へえー」 シキはニヤッと笑った。 「そーれは、ますます奪い甲斐あるわ」 そう言うと彼は、僕の身体をうつ伏せに返して、 僕の上に馬乗りになった。 バタバタと抵抗を試みる 僕の両腕をしっかり掴まえて、 そこら辺に落ちていたレジ袋で後ろ手に縛りつけた。 「…ううっ…」 そして再び、僕を仰向けにした。 「やめて…やめてくださいっ…」 僕は震える声で言った。 彼は構わず…僕のシャツのボタンを外した。 そして手を伸ばして、 テーブルから自分のスマホを取った。 シキは、僕のシャツをずらしながら、 僕の乳首に指をあてた。 「ん、んっ…やめてっ…」 カシャッカシャッ… その図を、彼はカメラに収めた。 「あんまり大声出したら、あいつらにこれ送るよ」 「…っ」 ニヤっと笑って、シキはスマホをテーブルに戻した。 そして改めて…僕の乳首に指を這わせた。 「はっ…あ…いや…」 僕は首を横に振りながら、ビクビクと震えた。 「やめ…て…あっ…」 「感じてる顔が…可愛いな…」 言いながらしきは、また僕に口付けた。 「んんっ…」 そして彼は、その口で片方の乳首に吸い付いた。 「ああっ…あ…」 僕はビクっと震えた。 「…いや…あっ…あ…」 知ってる人達とはまた違う、指と舌の愛撫に… 口では拒みながらも、やはり僕の身体は どんどん昇り詰めていってしまった。 シキの手が、僕の股間を探った。 「はあっ…あっ…」 僕はまた、大きく震えた。 「すげー勃ってる…」 シキは、本気で驚いて呟いた。 「ホントに玩具なんだな、お前…」 そう言いながら彼は、 僕のズボンを下着ごと脱がせた。 そしてまた、スマホを手に取った。 それを見て僕は、顔を背けた。 カシャッ。 容赦なく、そんな僕の姿が… シキのスマホに収まってしまった。 ごめんなさい… 僕の頭に、自然とその言葉が浮かんだ。 僕はいつの間にか、無意識に、 本当に… あの人たちに、操を立てていたのかもしれない。

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