83 / 90
PV撮影に向けてのリハ(1)
次のリハの日は、ハルトとショウヤが見学に来た。
ショウヤは、PVの曲の打合せのため…
ハルトも、メイクや衣装のイメージを考えるため…
っていう口実だった。
「カオルさん、調子どうですか?」
ショウヤが心配そうに訊いてきた。
「おかげさまで、大丈夫になりました…」
「ホントですか、よかったー」
「あのときは、ホントにありがとうございました」
「ええーとんでもないっ…」
「いや、だって…あれ、ショウヤが教えてくれなかったら、分かんなかったもんなー」
カイが、しみじみ思い返して言った。
「そうだよねーホントにショウヤのおかげだ…」
サエゾウもしみじみ言った。
「お前、マジでちゃんとお礼しなきゃじゃん…」
シルクが僕に向かって言った。
「…あ、僕で出来る事なら何でもします」
「1日デート券とかー?」
サエゾウが言った。
「えええーっ…そんなっ…勿体ない…」
「そんなんで良ければ、いくらでも使ってください」
「ちゃんと黒スイッチ入れるんだよー」
「…努力します」
そんなこんなで…
僕らはいつものように定位置についた。
「まずは、シルクの曲を固めよう」
「よろしくお願いします」
「どーせご本人同士は契り済みなんだろー」
サエゾウが冷やかすように言った。
「はい」
僕は真面目に答えてしまった。
「おかげで曲がすごく理解できました。サエさんのときもそうでしたけど…それの大事さが、しみじみよく分かりました!」
「…」
サエゾウは…黙って引いてしまった…
「じゃあ、やってみよう…」
「あ、イントロのリフなんだけどさー」
サエゾウは、気を取り直してシルクに言った。
そして、実際にギターを鳴らした。
「こんな感じにしてもいいかなー」
シルクはしみじみ聴いて、答えた。
「うん…良いと思う、その方がサエ節っぽい」
「んじゃ、コレでいくね」
そして、そのギターリフからの、曲が始まった。
ディレイを屈指したそのリフは…
まさにその、可哀想な彼が凌辱される様を…
僕の目の前に映し出した。
それはまるで、
あの力強い口付けのようだった。
「…っ」
シンプルなコード進行は、
カイとシルクの息の合い具合を引き立たせていた。
それは、常にひとつの塊となって、僕を突いた。
そこに乗っかる、サエゾウの愛撫ギター…
ああ…
やっぱり、この人達の演奏は、何て凄いんだろう…
僕は色々な意味で、気持ち良く…
可哀想な主人公に入っていった。
曲が終わったとき…
既に僕の身体は、少し震えてしまっていた。
「…とてもいい感じだと思う」
シルクが言った。
「うん、シンプルでキャッチーだよね、なのに中身ドロドロっていうー」
「…もうちょっと頑張れそう?」
カイが僕に訊いた。
「…はい」
僕は必死に両足を踏ん張った。
「じゃ、もっかいやってみよう」
そしてまた、その曲が何度か繰り返された。
僕は、その中で、もう1人の黒い自分の存在を、
何とか伝えるべく…歌い回しを試行錯誤した。
それでもやはり…
演奏隊の音の愛撫に、やられてしまうのだった…
「いいんじゃない?いったん休憩にしよっか」
何度目かが終わって、カイが言った。
それを聞いて…
僕は安心するとともに、その場にへたり込んだ。
「…」
それを見てシルクは、ホッとした表情を見せた。
「ご本人が処理してあげればー」
ギターを下ろしたサエゾウが言った。
「いや…もう十分やったから大丈夫」
シルクはしれっと言いながら、
ベースを下ろして、さっさとカウンターに向かった。
「…なーんか悔しい感じするんですけどー」
言いながらサエゾウは、僕の肩を押さえた。
「そんなら頂いちゃおっかなー」
カイが、その横を通り抜けながら言った。
「処理していいけど、あんまり挑発しないようにしてくれよ。まだ他の新曲も練習するんだから…」
「あーはいはい…」
サエゾウは、心そこにあらずな返事をして、
僕をすぐ傍の椅子に座らせた。
そして僕のズボンを、下着ごと膝まで下ろした。
「口押さえといて…」
サエゾウはそう言って、僕の両手を取って、
僕の口を塞がせた。
「声出しちゃダメだってー」
そう言って彼は、
いきり勃って尖のじんわり濡れた僕のモノを握った。
「…んっ…ん…」
僕は声を殺しながら、ビクビクと震えた。
サエゾウは、その濡れた尖に吸い付いた。
「んんっ…」
僕は、更にビクビクと身悶えた。
構わず彼はそれを、口に深く含ませ…
舌を絡ませながら、何度も抽挿させた。
「…んっ…ん…んんんっ…」
カシャカシャッ
あ、この音…久々に聞いた…
「…カオルさんの我慢顔がたまらない…」
「…っ…んんっ…」
僕は必死に口を押さえながら、
あっという間に吐精してしまった。
カシャカシャッ…
ショウヤは、シャッターを押し続けながら言った。
「コレはコレで…むしろ逆にヤバいですね…」
ともだちにシェアしよう!