85 / 90
PV撮影に向けてのリハ(3
そして、怒涛のヤバい4曲通しが始まった。
ショウヤは、カメラを動画に切り替えて、
感性を研ぎ澄ましていた。
あのレンズの向こうまで、この風景が届くだろうか…
僕は、とにかくショウヤに、
伝える事を考えながら歌った。
そう言えば、僕の場合は…
作曲者と1つになることで、
その曲の真実が見えたんだったな…
もしかして、ショウヤさんとも、
もっと何度も身体を重ねる事で、
伝わりやすくなったり…するんだろうか…
僕はうっかり…そんな風に考えてしまった。
そんな事を考えている間にも…
演奏隊は、僕の身体を愛撫していった。
本当にそれは、見えない指となり舌となって…
僕の身体の弱い部分に絡みつき、
いやらしく這いずり回っていくのだ。
「…ああ…」
絶望感の中で、もうひとりの僕に犯され…
宵待ちの月を見上げながら挿れられ…
真夜中の庭で、寄ってたかって愛撫され…
最後の曲の前にはもう、
僕はまさに、フニャフニャになってしまった。
「…」
ショウヤは、その様子をずっと、
カメラのレンズ越しに凝視していた。
容赦なく最後の曲が、始まった。
僕は必死にマイクスタンドに縋り付いた。
イントロのベースのリフと、
それに乗った、チャラーンていうギターが…
そんな僕を、了解から更に愛撫してきた。
ビクビクと震えながら…
僕はその、妖しい宴の場に放り込まれた。
そして最後は…
窓の外の、あなたの手を取った。
そのとき、僕の窓のの外に現れた「あなた」は…
ショウヤだった。
僕は、歌の世界の中で…
ショウヤと手を繋いで奈落の地の底へ飛んだ。
ジャーン…
曲が終わった。
千篇一律のごとく…
僕はその場にバタッと倒れた。
…と、
向こうーの方でもバタッと倒れた人がいた。
「ショウヤ?!」
驚いたハルトの声がした。
ハルトは、ショウヤに駆け寄った。
「なに、どうしたの…」
「…だって…カオルさんが…」
「カオルが…?」
「…僕の手をとって…くれたから…」
「…」
「…なんかショウヤがワケ分かんない事言って、また処理必要に陥ってるー」
言いながらハルトは、
少し困った様子で、僕らの方に近付いてきた。
「…」
「…」
「はぁ…はぁ…」
「あーダメじゃん、処理必要な人しかいなかった…」
3人様とも…倒れるには至らないまでも、
重度の発情状態であるのは明らかに分かった。
「…カオル借りてっていい?」
「…」
3人は、ええー?っていう目でハルトを見た。
「だって、あんた達は、いっつも姦ってんでしょ」
「…」
ハルトは有無を言わせず、僕を抱き上げて…
ショウヤの方へ持っていってしまった…
ドラムから出てきたカイが、致し方なく言った。
「サエ…ヤらせて…」
「…うん」
何とかギターを下ろしたサエゾウは、
バタっとその場に仰向けに転がった。
そして自分で、自分のズボンを脱いだ。
カイはすぐに、自分のズボンを脱ぎ捨てると、
サエゾウの両足を開いた。
「…カオルみたいに中だけじゃイけないからね…」
サエゾウは、自分のいきり勃ったモノを握った。
「コレもちゃんとイかせて…」
カイは、それを自分の手に受け取りながら…
自分のモノを、サエゾウの秘部に押し付けた。
シルクもベースを下ろして、ズボンも脱いだ。
サエゾウは、そんなシルクを見上げた。
「いーよ、挿れて…」
そう言ってサエゾウは、口を開けて手を伸ばした。
シルクはゆっくり、サエゾウの首元に跨り、
自分のモノを、その口に押し付けた。
「サエに挿れるの…久しぶり…」
「…ん」
そんな感じで、
演奏隊が割と愉しそうに媾っているこっち側で…
ハルトは、必死にショウヤの肩を揺らした。
「…ほら、カオル持ってきたから」
「…え…」
「挿れるなり、挿れられるなり好きにしなさいよ」
「…ええっ…」
ショウヤは、必死に顔を上げると、
夢のような表情で…横に寝転がる僕を見た。
「…いいん…ですか?…」
「なんなら手伝ってあげる…」
ハルトはそう言って、僕のズボンを脱がせた。
「…んっ…んん…」
脱がされながら僕は、ビクビクと震えた。
「ショウヤも脱がしてあげよっか?」
「…あっ…ああ…大丈夫ですっ…」
ショウヤは必死に身体を起こして、
震えながら自分のズボンを脱いだ。
「あ…あ…カオルさん…」
そしてショウヤは、
思い切り僕の身体上に覆い被さってきた。
「…ショウヤ…さん…」
僕は力無く…小さい声で言った。
「…伝わり…ました?」
ショウヤはガバッと頭を上げて、僕を見下ろした。
そして、泣きそうな顔で言った。
「…カオルさんが…僕の手を取ってくれました…」
「…」
僕は、微笑みながら、小さく頷いた。
そして安心した表情で…再び目を閉じた。
よかった…ちゃんと伝わったんだ…
ともだちにシェアしよう!