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第9話

 何が聞きたいのだろう? 俺は驚きのままで、ええ、と答えると次の瞬間、彼は想像もつかない言葉を吐いた。 「じゃあ、今朝も駅前で信号待ちしてた時に見てましたよね? 僕が朝っぱらから男とセックスしているところ」  ぽかーん、と口を大きく開けてその場に立ち尽くす。 (今朝も? 今朝って一体何を……)  そこまで思って、ハッと俺はある事を思い出した。  それは通勤途中にあるシティホテルの客室の窓。ここ数日、その窓際で朝から繰り広げられる艶かしい光景が急に鮮明に目の前に浮かび上がった。 「えええっ!? まさかあれ、水無月さっ!」

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