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第67話

 俺は抱き締めていた腕の力を抜いて、はぁ、とため息をついた。  でも大丈夫だっただろうか。俺の見間違いならばいいが、あれは完璧にこの部屋の窓を見られていた気がする。 「……結構乱暴なんだね、木崎君……」  息を調え、気怠げに横たわる水無月が呟く。彼は徐々に柔らかさを取り戻す性器を握ったままの俺の右手を掴んで目の前に持っていくと、その手を見て、「濡れちゃったね」と精液で汚れた指を口に含もうとした。 「駄目だって! きたねえだろッ!」  力任せに右手を引いて、俺は慌ててごしごしと水無月の着ているバスローブの裾で手のひらを拭いた。

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