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第69話

 慌ててベッドから飛び起きて水無月と距離を取った。俺の突然の行動に目を丸くした水無月はしばらく黙ったあと、ふうん、と意味ありげに頷いて、 「起きてから随分経つのに朝から元気なんだ、木崎君は」  妙な色気を放つ水無月の視線に俺は居たたまれなくなって、 「あ、あんた、それよりももうあんなことはやめろよっ」 「あんなこと?」 「窓際に立って朝からヤるなってこと! あんたをベッドに放り投げたのも、横断歩道からこの部屋の窓を見ていた奴が居たからなんだよ。あんた、そのうち、訴えられるぞ?」 「訴えられる? 一体、なんの罪で?」

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