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第5話

 しかし、翌朝。  俺に再びチャンスが訪れた。  神は俺を見捨てなかった。  朝食を食べているときに、山田が再び女体化したのである。  朝食のメニューは、前日と同じ、トーストにカフェオレだった。  ……アイスコーヒーを飲んで元に戻ったことから考えると、カフェオレが非常に怪しい。 「そう言えば、お湯だか水をかけると性別が変わる漫画…あったよな。おまえどっか秘境にでも行ってきた?」 「金曜日に健康ランドには行きましたけど…」 「それだ!」 「ええ!? ただの健康ランドですよ!? そんな馬鹿な話………、あ」 「なんだよ、なにか心当たりでもあるのか?」 「いえ、どうなんだろう…でも、え…? だって…」 「おい、なんだよ、思い当たる節があるならさっさと言え」 「……健康ランドで、知らないおじさんからコーヒー牛乳をもらいました……」 「飲んだのか」 「飲みました。美味しかったです」 「おまえは知らない人からものをもらっちゃいけませんと子供のときに教わらなかったのか?」 「子供じゃなくてもう大人なので大丈夫かと…」 「なお悪いわ! ――もういい、とりあえず胸を揉ませろ」 「なんですかそれ! イヤですよ! ……やっぱりちんこよりもおっぱいの方が好きなんじゃないですか!」 「四の五の言わずに揉ませろ!」 「主任サイテー! セクハラ!」 「嫁の胸は俺のモノ」 「俺のおっぱいは俺のものですよ! 主任のバカ! スケベ! 変態!」 「スケベも変態もおまえにだけは言われたくない気がするんだが……。昨日ずっと昼日中から盛って腰を振っていたやつの言うセリフとは思えんな」  ――うっと詰まった山田の胸を、俺は今度こそ思う存分堪能したのだった。  山田はカフェオレとアイスコーヒーで男になったり女になったりする世にも奇妙な体質になってしまったが、俺のセクハラに憤ることはあっても嘆くことは二度となかった。 END

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