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第3話普段の生活が崩れる
『ただいまー』
「おかえりー」
『母さん、目が赤いけど
どうしたの?』
「何でもないよー
お父さん待ってるから」
何か違和感を感じた。お母さん、もしかして
泣いてた?
『お父さん、何かあったの?』
「落ち着いて、聞いてくれ」
『うん』
「お前を魔界に連れて行く」
『えっ、魔界?何で』
「立花家は代々魔界に生贄を
捧げるんだ」
『そんなの知らないよ』
魔界があるのは知っていた。
しかし、遠い話だと思っていた。
「本当は、玲奈が行く予定
だったんだが・・・」
『姉さんが?だったら俺が行く』
「でも、俺達はお前を行かせたくない」
『でも、行かないと大変な事に
なるんでしょ』
「・・あぁ、人間界が無くなる」
『ヤバいじゃん!!』
「でも・・」
『大丈夫。俺ならやれるよ』
「一生、人間界に戻れない
かもしれない」
『えっ、そうなんだ。でも、俺行くよ。
姉さんの為にも、人間界のためにも』
「そうか、ごめんな」
父さんは泣きながら謝った。
『父さんが、謝る必要ないよ!!
俺今日行くよ』
「えっ、急だろ。別に今日じゃなく
てもいいんだぞ」
『寂しいくなるから、今日がいい』
「分かった。じゃあ、場所を
教える」
そう父さんが言うと魔王がいる
所に連れて行ってくれた。
「ここだ」
着いたのは、暗い森だった。
『父さん、じゃあね。今までありがとう』
「あぁ、絶対に戻ってこいよ」
『うん、分かった!!』
父さんと会話をして、5分経つ。
すると、誰かの声がした。
「あなたが、立花美咲様でしょうか」
『はい。そうです』
「ようやく、決心したのですね。
魔王の花嫁になる事を」
『えっ、花嫁?そんな話聞いてない
けど』
「さぁ、行きましょう。魔界へ」
『えっ、ああー』
誰かも知らない人について
行くのはいけないと思ったが
この人が魔王の事を知っている
と思い、ついていく事にした。
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