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えっと、まずはチームを紹介します!(7)
丞は阿佐見が美人であるにもかかわらず、けれども彼にとってはそれはどうでも良いことなのか、毒づく。二人のこのやり取りは、本社にいた頃からずっとこんな調子だ。
日常的であはるものの、目の前で喧嘩が勃発しそうになるのはやはり気が気ではない。況 してや自分のことがきっかけで言い合いになるのだ。宝には耐えられない。
「あ、いえ。俺が悪いんです」
宝は二人の間に立ち、なんとかこの険悪な雰囲気を変えようと必死になる。
「もう、宝ちゃんってばほんっと真面目くんよね。誰かさんとは違って……」
そう言って、ちらりとオフィスの方を見た泪の視界の先からやって来たのは、丞や阿佐見と同じく同期の斎 智也 だ。彼は襟足までの金髪は染めているのだろう。
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