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悲恋。(4)

 宝の舌を唇で吸い、あるいは舌を絡める。  唇を閉ざすことのできない赤い唇からは唾液が滑り落ち、喉を通り鎖骨を伝う。  その光景が気に入ったのか、薄い唇は唾液の後を追う。喉を滑り鎖骨に辿り着くと、吸い上げ、甘噛みをして宝を追い詰めていく。 「しいなさ……あっ!!」  華奢な腰がベッドを跳ねる。  宝は丞の足に自らの足を絡めた。 「宝……」  彼は耳元で、熱っぽくそう呼ぶ。 「っつ!!」  それは初めて自分の名を呼ばれた瞬間だった。  嬉しくて、心臓が大きく鼓動する。 (どうしよう、泣きそう……)  宝の両手が丞の広い背中を掴む。すると丞はそれを同意と取ったのか、下着ごとカッターシャツをめくり上げた。  きっと今、彼の目に貧相な身体が写っているに違いない。  宝は急に恥ずかしくなって視線を逸らすと、片方の乳首がねっとりとした口内に含まれた。  下肢にはさらなる欲望が宿る。

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