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悲恋。(5)

 男にとって、乳首はただの飾りのようなもので、精の対象にはならないと思い込んでいた宝は驚きを隠せない。  そうこうしている内にも片方の乳首もまた、彼の手に捕らわれた。  仕事場では軽やかにキーボードを叩く骨張ったその指が、宝の乳首を摘み、あるいは潰したりを繰り返し、滅多に笑うことのないその薄い唇は、乳首を吸い、あるいは甘噛みする。  その度に、宝の腰は跳ね、ベッドのスプリングが軋みを上げる。 「っふ……あっ、あっ!!」  宝は官能の涙を流し、喘ぐことしかできない。  乳首を弄っていた唇と指は次第にゆっくりと下肢へと移動していく……。  その度に、薄い唇は宝の肌に淡い痕跡を残していく。  宝の下肢を覆っていたズボンのジッパーを下ろされ、下着ごと床に落とされる。  宝が官能に溺れた潤んだ目で丞を見下ろせば、彼は大きく息を飲み、華奢な腰を掴み上げた。

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