50 / 96
悲恋。(6)
「しいなさん?」
彼はいったい何をしようと言うのだろうか。下肢にいる丞を見下ろした瞬間、宝は悲鳴にも似た声を上げた。
丞はあろうことか、剥き出しになった宝の陰茎を口に含んだのだ。
いくら同性とは言え、まさかそこに愛撫されるとは思ってもみなかった宝は焦る。
「やっ、待っ!! 汚いっ。っひあああっ!!」
宝が丞の口から抜き取ろうとすると、腰を固定され、喉の奥まで押しやられてしまう。こうなってはもう拒絶できない。
宝は嬌声を上げ、ただただ強烈な刺激に耐えるしかない。
「っひ、あああっ!!」
ねっとりとした口内に包まれた宝の陰茎はとうとう達してしまう。
達してしまった宝は荒い呼吸を繰り返す。
幾重にも渡って涙が目尻から溢れる。
その姿がまた、丞の官能を刺激していることを宝は知らない。
ともだちにシェアしよう!