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目覚め。(2)

 自分の屋敷なのに我が物顔で入ってきたのは、斎 智也だ。  彼は阿佐見 泪と同様に丞と同じウェアウルフ一族だ。人間とは違い、自分たちウェアウルフは長寿の生き物で、年を取るスピードもかなり遅い。  彼らとは数百年にもわたり、行動を共にしている仲間である。  いつもの如くお気楽な智也は相変わらず自分とはまったく違う。  ウェアウルフだということを人間に悟られないよう、神経を削って生きている丞とは違い、開けっ広げな性格の彼はとことんまで正反対だ。  だから彼は余計な詮索をされることなく、誰とでもすぐに仲良くなれる。  そして、殊更(ことさら)枇々木 宝とも――。  自分といる時は常に俯き、顔色を窺うばかりの宝のことが脳裏に過ぎり、丞は小さく頭を振った。  せっかく頭から追い出した宝のことを、しかし智也の言葉ですぐに引き戻されてしまった。

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