さっきから俺のことを 可愛い可愛いと 譫言のように言っているのは 俺の親友とでも言えばいいのか まあ、うん。親友。 親友の、立花 一樹(タチバナ イツキ) こいつは多分 目もおかしければ、頭もおかしい。 ただ、顔が良いというのは俺にもわかる。 親友というフィルターを通しても尚、顔は良い。 そう、顔だけは良いのだ。 顔だけは。 それ以外は普通... いや、おかしい。 かなり、おかしい。 頭が悪いとかそういう問題ではないのだ。 頭が、おかしいのだ。 こいつとは、高校に入ってからの付き合いだ。 入学式の時に隣の席になって、そこから話すようになった。 最初はなんだこのチャラい奴はと思っていたが、 話しているうちに気が合い、意外にも話しやすくて 何かと絡まれることがあり、よくつるんでるうちに親友の立ち位置まできた。 話しやすくて面白い。 おまけに顔もいいとくれば、 それはまあ、言わずもがな。 クラスの人気者ですよ。 そんなやつが俺だけにしつこく絡んでくるのだから まあ、それなりに。 優越感があったりはした。 最初のうちは。 ここ重要。 最初のうちは、ね。