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第29話 ジャケ写撮影②

 今回のアルバムには、ユニット曲が含まれている。  ユニットは、俺と音弥の2人と、レオン、永人、一輝の3人に別れている。それぞれの曲調に合ったスタジオで撮影する。 曲は3種類あり、その中でどの1曲にするか、自分たちで話し合って決めた。 俺と音弥は“月”をイメージしたしっとりとした曲調、3人は“星”をイメージしたダンス調の曲を選んでいた。 曲にあったセットで、ユニット撮影をした。  太陽、星、月、地球それぞれが個々に綺麗に配置されている。 ある一点から見ると、それぞれの惑星が重なって、何とも言い表せない芸術的なものとなっていた。 その一点から撮影された写真は、まさに“芸術”そのものだった。  綺麗だね、と永人が呟いた。言葉が出ない程の芸術とは、まさにこのことだと俺は思った。  アルバムのジャケット撮影が終わり、楽屋へ戻った。  「明日もみんな一緒だったっけ?」  レオンは、髪を弄りながら言った。  「レコーディングでしょ」  カバンの中を整理しながら一輝が答えた。  「そうだった、そうだった! 待望のアルバムだからね。レコーディング頑張らないと!」  ユニット曲は、年上組と年下組で分かれている。 年下組の頑張っている姿を見ると微笑ましく思う。 そう思うのは、歳を取ったせいなのかと、音弥に言うと、そんなに歳変わらないだろうと笑われた。

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