49 / 53
第49話 おうちデート①
いよいよ、来週からライブに向けて準備が始まる。
ファーストライブが自分たちのやりたい事ができる嬉しさで、今からワクワクが止まらない。
「純斗〜、何1人でニヤニヤしてるの?」
何か嬉しいことでもあったの?、と顔を覗き込みながら、永人が抱きついてきた。
「俺と一緒にいるのに、何思い出してニヤニヤしてるの?」
ごめんごめん、と永人の頭を撫でた。
今日は、オフで俺の家でまったりデート中だった。
「いやさ、来週からライブツアー始まるじゃん? どんなことをしたらファンは喜んでくれるんだろうとか、衣裳はどんなものがいいとか、今からワクワクしてさ〜。めちゃくちゃ楽しみでさ〜。それから……」
あ、喋りすぎか、と笑うと、純斗のその顔大好き!、と永人が笑った。
「そんなこと考えてたんだ。でも、純斗の楽しそうな顔もっと見たい」
俺の頬を両手で包み込み、自分の方へ引き寄せた。
今にもキスができそうな距離だ。
俺は、覚悟を決め目を瞑った。
ふふ、と笑う声がした。
「キスされると思った?」
左の口角をあげ、俺の目をじっと見つけたまま手を離してくれない。
「べ、別に……。そんなん思ってねーし」
ほんとかな〜、そう言いながら手を離した。
あ、本当に何にもしないんだ。
そう思っていると、クイっと顎を持ち上げられたと思ったら、唇に何か触れた。
ともだちにシェアしよう!